共産主義と普通選挙

総合

日本は、市民が自由主義市場経済に参加する国である。極端な例を挙げれば、大企業の社長は大勢の生活を保障する立場を買って出たぶん強く参加していると言える。また障害年金受給者は自分の生活をマネジメントするだけだから弱く参加していると言える。

参加の強度に関係なく、普通選挙で一人一票を投じることができる。ただし代議制の利益代表と言う仕組み、つまり特定利益の集団が代表者を立て彼を選挙で当選させる仕組みとは、大企業の社長が代議士に自己の利益を守ってもらうことを可能にする。

これは何らやましいことではない。たとえばトヨタ自動車では、およそ37万5千人の従業員が働いていて、これは東京都新宿区の人口32万人より多い。トヨタ自動車の社長とは、自社のステークホルダーにコントローラビリティを持つ立場にあり、それは東京都新宿区の長に匹敵する規模だと筆者は言いたい。筆者は、流行りの裏金問題を言っているのではなく、そもそも大企業の社長が国政に影響力が全く無かった場合、危ういのである。

代議制の利益代表と言う仕組みは、その辺りの辻褄である。その一方で、平等な普通選挙とは、選挙が無かったらほとんど政治に関われない一定の市民に水を向けるものなのだ。共産主義ではじめて救済される市民の声を立法府に届けることは、普通選挙によって実現するものなのだ。

自由民主党のホームページを見ると、障碍者福祉と言えば、身体障碍者について言及しつつも美談や道徳論が多く、具体性や事実性の欠けた記事が多い印象を受ける。自由民主主義であれば有利な市民なりに一定の道徳を持ち合わせようというスローガンなのだろうか。これが日本共産党のホームページ上だと、「月8万円を作業所の就業で受け取ったため障害者年金(基礎年金2級であれば月6.5万円)の受給が打ち切られてしまった(働けるなら年金は払わないよと国に判断された)」と具体的な問題が、これ以外にも数多く挙げられている。つまり日本共産党は、自由主義市場経済で劣後する者の利益を代表している面があると言える。

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